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会員の視察・旅行記

吉田亜希子のUSA JOURNAL 2015年6月号(2015.6.1)

ついに6月になりました!…と言うのも、私達が期待と不安を抱えながらこのアメリカの地に降り立ったのが昨年の6月。早くもあれから1年が経ちました。思い返せば色々なことがあったこの1年でしたが、それだけに、毎日が新鮮でエキサイティングで、ジェットコースターの様にあっという間に過ぎてしまった様な感じです。これで半分が過ぎたアメリカ生活。残り1年思い残すことの無い様、色々なものを見て経験して、視覚にも記憶にも心にも、たくさんのことを刻んで帰りたいと今まで以上に感じる今日この頃です。

さて先月に引き続き、今月もワシントンDCのご紹介です。
先月ご紹介した通り、官公庁や歴史的建造物が多いワシントンDCですが、それらと並んで有名なのがスミソニアン協会が運営する、スミソニアン博物館群。18世紀初頭、優秀な科学者として地位を得たイギリスの科学者ジェームズ・スミソンが、「人類の未来と知識向上の為に」と自身の全財産をアメリカへ贈り、その遺贈金を元に設立されたのがスミソニアン協会。現在では19もの博物館と美術館、1つの動物園と、それらの研究機関が、ここDCを中心にスミソニアン博物館群として世界最大の規模で立ち並んでいます。

1日中かけてじっくり見ても良いと思われるような、素晴らしい展示と圧倒的な所蔵数を誇る巨大な博物館、美術館が、それぞれ違ったテーマであちらこちらに建っているのですから、もう何と表現して良いのか分からない贅沢さ。更にその運営資金はアメリカ政府の財源及び寄付で賄われている為、入場料は全館無料!それでもその膨大な所蔵品の数々は、DC在住のアメリカ人でも全てを観ることは出来ていないのでは無いかと思うほどです。

そんな訳で、アメリカ在住1年の私もまだまだ完全制覇には程遠いですが、、DCを訪れる度、1つ1つ開拓し、鑑賞している素晴らしい展示の数々を一部ですが、ご紹介したいと思います。

まずは一番の人気スポット、国立自然史博物館(National Museum of Natural History)。1910年に開館したスミソニアンで最も古い博物館です。この博物館のコレクションは、地球が誕生してから46億年間、自然界に存在する(化石から鉱物、生物、動物、魚や昆虫など︎)全ての物。その為コレクションの数は現在約1億2730万点!。そして今尚、調査や研究活動が進められ、そのコレクションも年々増え続けているのだとか。プロの学者も見学にやってくるという、その質の高い展示品の数々ですが、一方で動物や恐竜など分かり易くキャッチーなものも多いという事もあり家族や子供達にも人気の博物館です。

こちらもまた人気が高い、国立航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)。人類の永遠のテーマ、空を飛びたい、宇宙を見たいという、その夢と進化を見ることが出来る博物館です。DCにある本館は全長208メートル、1〜2階が展示スペースとIMAX劇場、プラネタリウム、3階には図書館と研究部門、そしてダラス国際空港近くの別館まで包括する、こちらも巨大な博物館となっています。世界中に航空関連の博物館は数多くあるものの、初期の飛行機から最新のジェット機まで、それぞれ実機で展示され、見て学ぶことが出来るのはここスミソニアン博物館だけなのだとか。正直、飛行機自体にはそれほど興味のない私(笑)ですが、ライト兄弟を始めとする初期の飛行家達の努力の歴史や、アンティークな雰囲気が漂う美しい機体デザインの数々。また戦争にまつわる戦闘機の展示や、今は全廃された核ミサイルの展示など、深い歴史的背景を背負う展示も多数あり、様々なことを感じることが出来る博物館です。

歴史と文化を中心としたアメリカを見ることが出来るのが、国立アメリカ歴史博物館(National Museum of American History)。日本やヨーロッパに比べると比較的短いアメリカの歴史ですが、逆に現代に近いだけに分かりやすくキャッチーな展示も多く、スミソニアン協会の中では「アメリカの屋根裏部屋」と呼ばれているのだとか。ただ一方で戦争や人種差別、奴隷制度などといった影の部分も包み隠さずフォーカスされており、現代に続くアメリカの様々な問題への知識を深くすることも出来ます。

そして私がずっと見たかった美術館。パリのルーブルにも匹敵すると言われているのがこちら国立絵画館(National Gallery of Art)。13世紀から現代までの絵画や彫像を中心とした西洋美術のコレクションは約11万6000点!。ダヴィンチ、レンブラント、フェルメール、モネ、ピカソ、ゴッホなどなど、超有名画家の超有名絵画が所狭しと並べられており、こちらも1日では見きれないのではないかと思われるボリューム。前回は時間の関係もあって、有名な絵画の多い19世紀フランスのゾーンを中心に鑑賞をしてきましたが、アメリカにいる間に必ずまた改めて、ゆっくり来館してみたいと思っている美術館の一つです。(写真撮影はフラッシュを炊かなければOKだった様ですが見るのに必死で撮影できませんでした、、)

こちらはアメリカ美術専門の、国立アメリカ美術館(Sumithonian American Art Museum)。植民地時代から現代にいたるまで、3世紀以上にわたるアメリカを代表とする絵画、彫刻、版画、写真などが集められている美術館。植民地時代や印象派の作品群も圧巻なのに加え、近代作品には私達がよく知るアンディウォーホルや、ワイヤーチェアで有名なハリーベルトイアのオブジェなど、インテリアに関連する興味深い作品も多数。ちなみにこのアメリカ美術館の建物自体も、DCでは最も古い公共建築物の一つとして国定歴史建造物に指定されており、美しいガラス天井や内部の彫刻なども見どころの一つです。

こんな素晴らしい展示の数々が全て徒歩圏内に集約されているという何とも贅沢なワシントンDC!今後は、まだまだ見切れていない他の博物館にも言ってみたいけれど、、既に行った博物館や美術館を、更に時間をかけて見てもみたいし、、、と、このスミソニアンに関しては贅沢な悩みが尽きません。これを書きながらまた、今週あたりDCに行きたくなってきた私です。

 

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