1. IIDA top >
  2. 活動報告 >
  3. - サスティナブル企画 Part3 - IIDA Japan Chapter Tour 2022 「point 0 marunouchi」見学会レポート

活動報告

- サスティナブル企画 Part3 - IIDA Japan Chapter Tour 2022 「point 0 marunouchi」見学会レポート(2022.9.1)

2022年8月2日 point 0 marunouchiを見学致しました。

IIDA Japan Chapterでは「サスティナブルなインテリア」と題して、オンラインセミナーにて、環境認証の事、そしてデザイナーの視点からのサスティナブルの定義などを勉強してきました。

三回目の今回は、会員の他、インテリアコーディネーター、デザイナー、メーカーの方、そして学生さんが参加されて、都会のど真ん中のオフィスでありながら、ふんだんに目に入ってくるグリーン、そして心地よい空気感、風に癒されながらpoint 0 marunouchiの見学会をスタート致しました。

point 0 marunouchi は、コワーキングスペースの機能に加えて、より良い仕事環境を実現するために大企業による実証実験が行われています。参画企業は9社から始まり、現在は17社と増えていっているそうです。また、WELL認証も取得され、人間中心の働き方、つながり方を模索し、構築している、多くの見学者が訪れる施設です。

ご説明してくださったのは、2021年4月から参画されている大建工業株式会社で、商品開発をされてきて、株式会社point0では取締役を務めていらっしゃる髙桑健一様。そして見学会では、同じチームでお仕事をされている鎌田様にもお入りいただきまして、ご説明いただきました。

「サスティナブルなインテリア」をテーマとしている私たちにとって、気になっていたWELL認証。人々の健康とウェルネスに焦点を合わせた建築や街区の環境の性能評価システムで、空気、水、食物、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティ、イノベーションの項目があり、それぞれの項目で点数をつけるのですが、point0ではゴールドランクを取得されているそうです。

見学をさせていただきながら、現在の活動内容も含めて教えてくださいました。

point①

ワーキング活動の1つに、健康WGがあります。ここでは、定量的に測りづらい「健康」に関して、こころやコミュニティといった項目に着目して、交流を図るきっかけづくりを考えています。水耕栽培でメダカを飼育したり、土の代わりに製造過程に出る端材の木質チップから作られた木質土壌でハーブを育てる実証実験など、一緒にそれを眺めて、何気ない雑談をするアイテム通して、交流や会話を増やす取り組みを実施しています。

point②

観葉植物がふんだんに窓辺におかれていている事、テーマカラーがグリーンであること。どこにいてもグリーンが目に入ってくることで、リラックスできる空間を演出しています。

point③

例えば、WELL認証の「運動」基準を満たし快適な執務姿勢を支援するファニチャーがあります。
人間工学に配慮した調整機構を備えるチェアと、天板の電動上下昇降機構を備えるデスクで、座位姿勢の他、立位での仕事も可能になるなど、健康と快適性を両立する執務空間を目指しています。

WELL認証は3年ごとに更新が必要のようです。更新のためにデータを時間と労力がかかりますが、そのお陰で継続的にウェルビーイングな働き方ができるのです、おっしゃっていました。

さて、実証実験の方では、それぞれの場所の利用率もとられていました。利用率を測定した所、オフィスに馴染みが薄い、シャワールームやナップルームの利用率がかなり高いという事でした。普通なら中々利用しにくいけれど、実証実験のデータ取得の為、という事で、ここでは気軽に利用しやすいそうです(笑)

タイトなスケジュールの中で、オンオフを作り、リフレッシュして、効率的に仕事が出来る事は大事ですね。仕事に対するストレスやその日の体調は一人ひとり違うもの。その日、その人の体調に合わせ休憩を入れ、コンディションを整えて仕事に迎えることは、個人が一人の人として大切にされているので、人に優しい仕事環境だな、と思いました。

また、シャワーブースには、プロジェクターが設置されていて、入室すると森林浴をしているような画像が現れました。また、低酸素ルームでは、効率的な高地トレーニングができる環境を想定し、酸素濃度を通常の約75%にコントロールされてます。目の前には、日本の自然風景の画像があり、都会の中で自然を味わえる仕掛けがされていました。

体感しないと分からない空気ですが、制御されている空気なのに、本当に自然にリラックス出来る空気を作り出しているのだな、と感心しました。

また個室の音環境の実証実験も、体感することで、マスキング音と吸音パネルの効果を感じました。様々なシチュエーションで実験されているので、その環境にあった音環境がこれから生まれてくるのだな、と期待を持ちました。

商品開発をされている髙桑さんと鎌田さんに、このオフィスのメリットを伺ったところ、実証実験の場は、ダイレクトに、被験者(利用者・見学者)から感想を伺えることで、製品化のスピードが速くなったという事でした。
また、通常ではありえない距離で、他企業の方との接点が出来ので、挨拶や雑談から他企業とのプロジェクトが生み出されるそうです。

頂いた2021年度のアニュアルレポートには、「今こそ、組織のエッジに身を置き、他社と交わろう。今こそ、多様な人や情報に触れながら、未来を語ろう。そして今こそ自分が何を実現したか、問いなおそう。まだ見ぬ豊かな協創/共創を実現するフィールドとして、point0はさらに歩みをいく。」と結ばれていました。

ここから私たちにとって希望の持てる未来の製品が生み出されることを、期待いたしました。

そして、丸の内の一等地にありながら、登録料が無料で、使用料は15分275円(税込み、自由席・都度利用の場合)という敷居の低さは、コワーキングスペースを使われる方にとりとても魅力だと思いました。登録のタイプは何パターンがある様ですが、良かったら登録されてみてはいかがでしょうか。

髙桑様、鎌田様、そしてこの見学会の為に、諸々調整をしてくださった運営の竹内様、ありがとうございました。

レポート:牛尾 育美

INDEXに戻る

ページ上部に戻る