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活動報告

IIDA11月月例会レポート『造作家具と家具塗装について学びましょう!―家具塗装の基礎知識と実習―』(2015.12.1)

今回の月例会は、清澄白河にある家具塗装の「ニシザキ工芸株式会社」にて行われました。
ブルーボトルコーヒー1号店の出店に始まり、小さくても洒落たカフェやショップ、アートが楽しめると、近年注目度が高まった清澄白河。江戸時代の深川の地名の時から下町として栄えてきた、古きも新しきも感じられるこの街にニシザキ工芸はあります。

私たちは普段、家具や建具や什器などの設備において、既に仕上がった状態の製品、もしくは組み立ての工程だけ残した部材を見ていると思います。
当たり前のように綺麗に仕上がってくる製品ですが、それらが完成されるのにはニシザキ工芸のような塗装をする工程の場が必ずあります。それを今回改めて実感する事ができました。

こちらのニシザキ工芸では、ハイエンドの顧客の空間で使用される物の塗装も多く請け負っています。スライドで見た施工事例では、ジャンルを問わず高級で洗練された空間が多数ありました。そのどんな上質な空間にも「塗装面の美しさ」が佇んでおり、それが醸し出されることの重要性を感じました。そしてニシザキ工芸ではそれを表現する技術と信頼を持っておられます。

私たちもウレタン塗装の体験をさせて頂きましたが、サンプル用の板に実際の工程を幾つか省いての短時間で楽しみながらの実習で、実際には実に手間と技術のいる作業が続くのだと分かりました。
工房では黙々と作業をされる職人の皆様の姿が印象的でしたが、注文された通りの塗装で「部材を製品として」納期までに仕上げるのにはやはり職人がいなければなり得ない。プロの仕事ぶりを拝見し、改めて実感致しました。

ショールームは近年改装されたもので、ダイニングテーブルとアイランドキッチンが配置されたとてもモダンな空間。シンプルながら伊達で粋な江戸らしさと、現代的で洗練されたモダン、そしてニシザキ工芸の技術が融合していました。こうした空間をショールームとして作られた所に、これからの自社の在り方へのお考えと、長年やってきた深川の地域に対する想いを感じます。
代表の西崎克治様からは、近隣にあるワイン醸造所のワインをアペリティフで頂いたり、紅茶屋さんの茶葉をお土産に下さったりと、地域で共に働く方を積極的に紹介する、素敵な繋がりも度々感じられました。

ニシザキ工芸は、大正12年に箪笥などを作る江戸指物の作り手として創業してからおよそ92年の長い歴史を持つ企業です。
こうした優れた企業があることを心強く大切に思っていたいと思いました。そして私たちも、今後も互いに高いレベルの仕事を続けて行くことが、この業界にとっても大切な事となるのではないかと強く感じました。

 

古澤

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