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活動報告

Go Forward Project 第2弾「文学者の住宅散歩と作品朗読の夕べ」レポート(2014.1.1)

去年から始まったこのプロジェクトの第2弾のセミナーが12月11日青山にあるアイデックさんのショウルームをお借りして行われました。
今までのセミナーとは趣向の異なるアカデミックな要素をとり入れた内容にご興味を寄せられたかたが多く、定員オーバーでのお申込みとなりました。さらに、終了後のクリスマスパーティーはスモールサイズのものでしたが、センスと美味しさに定評のデリバリーフーズのご協力で、皆さん堪能! 参加者の皆様からはご満悦の声を聞くことが出来ました。また、時節柄、落ち着かない日々を過ごされているかたも多く、楽しいセミナー&パーティーでリフレッシュされた・・・との声に主催側も嬉しいかぎりでした。

建築家の根岸俊雄氏のレクチャーに加え、その道のプロとしてご活躍の奥様の純子氏の朗読は味わいを深くし、「日本語の美しさ」に改めて聞き惚れた方も多かったようです。それぞれの作家たちの住宅への思い入れや人生模様と生きざまが、住宅の個性として現れている・・・そんな面白さに気づかされもしました。

「放浪記」や「浮雲」で有名な林芙美子は自身も放浪と自由を愛した女性。それ故に、安定性と落ち着きをもとめた家づくりをしたであろうと納得。西武新宿線「中井駅」近くに林芙美子記念館として今なお立派さを誇り、多くの来館者が訪れます。
立原道造のヒヤシンスハウスはロマンチックでどこまでもエレガントな彼の感性が描いた夢の結晶となった家。実現することなく若くして亡くなった彼の夢を後世のファンメンバー結成により、現実化され建てられたことは現代のロマンと言えるものです。埼玉市の南区にある別所沼公園にその姿を見ることが出来ます。
最後の正岡子規の「子規庵」はひっそりと鶯谷の一角にあり、見落とすほどに地味な存在とのこと。彼は結核と闘い、病床にありながらもほとばしるようなエネルギーで、近代文学の巨星として生きた人です。彼にとって家の有り様は意中にほとんどなく、文学と仲間への熱き思いで人生を駆け抜けたものと感じられました。

「文学者の建築散歩」はその名のとおり、それぞれの作家の住宅紹介、あわせて代表作品の朗読を取り入れながら臨場感の高い素晴らしいレクチャーとなりました。さらに根岸先生の研究による作家たちの知られざるエピソードなどが盛り込まれ、楽しく貴重なセミナーとなりました。どうぞ、時間ありましたらご紹介の住宅へ足を運んで頂きたいと思います。

ご参加の皆様、そして関係者の皆様 ありがとうございました。

GFP担当 根元美奈

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