1. IIDA top >
  2. 活動報告 >
  3. 2013年 >
  4. Falling Water

活動報告

Falling Water(2013.10.1)

落水荘は1935年ペンシルバニア近郊ピッツバーグの百貨店オーナーエドガー・J・カウフマン氏と妻リリアンの週末邸宅として設計されました。 (完成は1939年)
 ピッツバーグ市内から車で2時間ほど、ミルランの森の中にあります。
そしてベアランという小川の小さな滝の上に建っています。
 滝を眺める家をオーダーしたとのことですが、当初の予定から予算は大きくオーバー。それでもデザインに妥協しないでオーナーの理解の元完成したのです。
フランク・ロイド・ライトの晩年の作品ですが当時のどん底の状況から復活することができた作品で、彼の代表作の一つとなりました。

 インテリアの勉強を始めた頃から一度実物を見たいと思った作品の一つに、この落水荘が有りました。(三井ホームのCMで一般の方にも大変有名になりました。)
 2013年6月13日とうとうその日が来ました。ところががホテルに予約した車が来ないというアクシデント!!ホテルのフロントに相談して何とか別の車を見つけ、予定通り、着くことができました。

 森の中にオープンな受付があり、グループごとに親切なボランティアの方が付いて説明してくださいます。(なんと無料で日本語の説明が聞けるイヤホーンまで貸してくれました。)あいにくの雨でしたが皆お揃いの傘を持って出発です。
 ぬかるんだ山道をしばらく進むと落水荘が葉陰から見え隠れしてきます。
あっさりした看板があり橋を渡るとあの落水荘です。
自然の地形をそのまま取り込んだ,「岩と共に,水と共に、自然と暮らす」そんなイメージです。外から中に繋がるそのつながり方がまた自然です。岩の上に暖炉をその形状がとてもエレガントで素敵なのです。
有名なワインを温める真っ赤なボトルも当時のままです。この家のためにデザインされた169の家具とオーナーが収集した調度品は当時のままだそうです。
室内と同じくらいの広さが外にも用意されています。外から見ると岩から三層の岩の棚が張り出しているように見えます。

さすがにたわんだため改修されたそうですが70年以上前の建築物にもかかわらず古めかしさが無く今でも心地よさは変わりません。行き届いた使い勝手とデザインの調和に感心しました。こんな部屋で目覚めたらどんなに良いだろうとここに住まわれたカウフマン一家をうらやましく思いました。
 見学ツアーの最後に落水荘の写真でお馴染みのアングルの場所に案内されます。プロも素人も同じアングルの写真と思いましたらその場所からしか写真が撮れないのです。新緑の美しいときに行きましたので次は紅葉の美しい秋が良いかなと夢見ています。

 前の東京オリンピックの前年1963年に落水荘は所有者から西ペンシルバニア州保存委員会に寄贈されました。 

1991年に実施されたアメリカ建築家協会会員の投票により建築学上最も重要なアメリカの建築としても落水荘は選ばれたのです。

眞柄則子

【写真をクリックすると拡大します】

INDEXに戻る

ページ上部に戻る