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活動報告

第1回マーク伊東氏 Green セミナー
【アメリカのグリーンデザイン Green Design と LEED】(2008.6.1)

今期最後のセミナーは、ロスに拠点を置かれインターナショナルにご活躍されているインテリアデザイナーのマーク伊藤氏にお願いしました。
5月,6月と2回にわたり『アメリカのグリーンの現状』を紹介していただきます。
数々の豪華ホテルやレジデンシャル物件を手がけてこられた伊藤氏が、私達に下さったメッセージは「『GREEN』を取り入れた建物でも、デザイン的に妥協してはいけないし、しなくても良い」という事。
「今まで、『エコ』というと敬遠してきたが、今は妥協する必要がなくなってきている。 」
「今後は必ず日本にやってくる。それでも、良いデザインが出来るということをプロとして伝える伝道師としての役割を担って頂きたい。」

GREENの観念がアメリカで認知され始めたのはいつごろか

スタートはヨーロッパが早く、とりわけ北欧であった。アメリカは2000年になってから脚光を浴び始める。おそら元アメリカ副大統領アル・ゴアの『不都合な真実』が公開されてから人々が気付き始めた。同時期、ブラッドピットがプリウスに乗っていることが話題になり、そういったことが相乗効果となり、2005年頃より一般の人々に認知され始めた。
しかし、具体的に一般の人々に認知され始めてのは昨年の暮れからブームになり始め、今年になってからだと思う。理由の一つとして、GREENにメーカーがついてきたから。布、家具、金属、ペンキなどの材料が成熟してきた。かたや、メーカーがついてきていないのが日本。すでにオーストリアは白熱灯を使っていない。エコなスパイラル蛍光灯に変えている。
*『不都合な真実』:地球温暖化について描いた映画

LEEDの観念とは(テレビ番組を見ながらの解説)

アメリカからお持ち頂いた、テレビ番組をプロジェクターで拝見しながら伊藤氏より通訳と解説をして頂きました。「LEED」とは「Leadership in Energy and Environmental Design(環境とエネルギーに関するデザインリーダーシップ)」です。
AMERICAN LEED を住宅に落とし込んだらどうなるか、を表すためHGTVの番組『house&garden』は、1億円かけてサウスキャロライナにお手本の家『GREEN HOUSE』を造りました。『GREEN HOUSE』はソーラーパネルを使い自然からエネルギーを得、仕上げ材は再生材やオーガニック商品を使ったエコフレンドリーな住宅です。経済的で、環境に害を及ぼさず、人間にも優しい住宅です。建築家は「GREEN」を表す基準に値するものを見せたかった。と言っています。アメリカでの「GREEN」とは日本の「ECO」とほぼ同意語で、そしてさらに環境に配慮する行為全てを指すようです。

例えば、ニュータウンのような場所で仕事も、住まいも、娯楽もその地域全体で生活が出来ることは(セルフサステイン)移動のエネルギーを消耗せずすむので、環境に配慮しておりGREENなのです。コミュニティーの中での移動は電気で充電して動くカートを使います。水を浄化するには大量のエネルギーが必要です。雨水を自分の土地の地下タンクに溜めて、トイレや庭に撒く散水に利用していました。屋根のソラーパネルは今コストが下がっているそうです。これもGREENです。インテリアデザイナーはオーガニックにこだわりソファーやカーテン生地に付着している薬品は洗って落としました。キャビネットはリサイクル品です。その他、脚を切って使いやすくしたコーヒーテーブル等ユースの家具をたくさん使っています。水廻りは丈夫で何年も使えるカウンターを採用しシンクはホーロー製です。使い勝手を我慢してはならず、無駄をなくすのがGREENです。

例えば、パントリーには扉をつけないで、食品はガラス瓶に入れてみせる収納にすると捜す時間を省エネ・・・これもGREEEN。水栓はエアレーター泡(ウォーターフロー)を入れると水を減らすことが出来ます。冷蔵庫、洗濯機等の家電はエナジースター(省エネシール)のついた商品を選んでいます。照明の電球は今アメリカでは100Wを20Wに軽減できるスパイラル蛍光灯が主です。玄関に入ってすぐのキャビネットの一番下の引き出しは椅子になる。そこで汚れた靴を履き替えることで室内の空気が綺麗に保たれる・・・これもGREEN。
ちょっと手を加える事でGREENという商品価値がでるのです。
『ローカルフォトグラファー』『ローカルアーティスト』地元の人の作品を飾ろう!というのもGREENです。 リサイクルの材料で出来たカーペット等も豊富な色柄で作られていてデザイナーはデザイン的に妥協しなくても良いのでエコの貧乏臭さがありません。この番組は、環境に配慮しながら造られた新築住宅を紹介しながら、さまざまな『GUREN』の観念を気付かせているのです。小さな事からはじめよう!とキーワードは・・・・

  • ナチュラルな材料
  • リサイクル材料
  • 省エネ
そしてこの家は『A LEED HOUSE・・・環境とエネルギーに関するデザインリーダーシップの家』と呼ばれています。
次回は、どういう基準をベースに「LEED」認定がなされているかをお話していただきます。

最後に、伊藤氏の奥様、IIAD会員の伊藤具子様よりアメリカからエコバックをプレゼントしていただきました!
ありがとうございました!
伊藤具子さんは『ロス便り』でアメリカのインテリアの情報を盛りだくさんに紹介いただいています。
いつも、楽しく興味深く拝見しています!とってもカラフルで楽しいエコバックです!
今回は5名様に当たり、次回も5名様に当たります!
今後、地球温暖化に対してより意識を持ちクライアントに提案をしていこうと思います。
次回のセミナーも楽しみです!

フォーラム 入江


マーク伊東氏

会場の様子

エコバックの紹介

エコバック当選者

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