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会員の視察・旅行記

吉田亜希子のUSA JOURNAL 2015年4月号(2015.4.1)

数週間前の雪の日々が嘘のようにすっかり暖かくなってきました。
アメリカの春のイベントの1つにイースターがあります。ご存知の方も多いかもしれませんがイースターとは、イエスキリストが十字架に架けられた3日後に蘇ったことを記念するキリスト教のお祭り。復活祭とも呼ばれています。春分の日の後、最初の満月の日の次にくる日曜日がイースターと定められており、今年は4月5日です。イースターのシンボルと言えば卵とうさぎ。殻を割ってヒヨコが出てくる様子をキリストの復活に例え、また子沢山で繁栄のシンボルであるウサギがその卵を運んで来てくれる、というストーリーがあるのだとか。それに伴いイースターが近くなってくると、街のインテリアショップも可愛らしいデコレーションを始め、またスーパーマーケットでも卵やウサギ型のチョコレートやお菓子が沢山並びます。この記事を書いている現在はまだ3月ですので当日街がどんな様子になるのか分かりませんが、また素敵なイベントなどに遭遇する事があったら是非ご報告したいと思います。

さて、今月は先月に引き続き「引越し後半家探し編」。
引越して欲しいと大家さんから言われたのが昨年の9月。「急な事だしこちらの事情だから急がなくていい」とは言われたものの、早くも数日後には買い手募集の広告がネットに載り、家の前にはCOMING-SOONの看板が立ち、1週間後からは看板はSALEに代わり、週末はオープンハウス状態。私達がまだ住んでいるそのままの状態で、普通に夕飯の支度をしている後ろを見学者がゾロゾロ歩いていくという感じ。一応、仲介会社から事前に連絡はあるものの「今日の夕方見学者行きますから」と昼に連絡が入る、と言う様なレベル。日本では考えられないこの状況に、夫婦共々最初は困惑しっ放しでしたが、こちらの賃貸住宅とはこういうものらしく珍しいことでは無い様子。でもこんな状態ではのんびり暮らして居られないので、私達も急いで家探しを始めることに。

とは言え、右も左もまだよく分からないアメリカ。もし私達だけで1から家を探さなくてはいけなかったら大変だったと思うのですが、そこは大家さん、私達が退去しなければ売った相手に家を引渡すことも出来ない。という事で、大家さんが依頼している不動産仲介会社が、私達の家探しの為、日本人女性のリアルター(不動産仲介人)の方を紹介してくださいました。アメリカ人のご主人をもち、ご夫婦で不動産仲介業をされている彼女。ご夫婦共に本当に親切で手際良く私達の要望を聞いて下さいました。大家さんから引越して欲しい旨を通達されてから数週間、習慣の違いや言葉の不自由さで少し疲れ気味の私達でしたが、彼女のおかげでスムーズに家探しをする事が出来ました。

主人の仕事柄、家にお仕事関係の方をお招きすることもある為、当初は最初と同じく賃貸の一軒家を探していた私達。築年数は古くてもきちんとリフォームされている家も沢山あり、広い庭やバルコニーが美しいアメリカ式住宅はとても魅力的。ただ、やはりこの外観を保つにはそれなりの努力が必要な様子。コミュニティによっては Home owners associations(住宅管理組合)の規則があり、家の外観や芝の手入れ、冬の雪掻き等を怠ると罰則が定められている場合も少なくありません。自分の家の敷地とは言え、芝が伸び放題の家がコミュニティの中にあっては、美観を損なうだけでなく地域全体の不動産価値を下げることになる、という事なのだそうです。ただ、広大なアメリカの庭、しかも夏は2週に1度は刈らないと伸びてきてしまう芝。家の前に立つ巨大なシンボルツリーも、夏に度々訪れる雷雨の度に枝がポキポキ折れ、その度に庭は汚れます。その為、そういったコミュニティに住む多くの家庭は、定期的に庭師を雇っている場合が殆どの様です。という訳で、ランニングコスト含め、家賃や手間などを考えて、庭の無いコンドミニアムやタウンハウスも視野に入れて考えることに。

州や地域によって若干の認識の違いはあるようですが、一般的にアメリカでコンドミニアムとは日本で言うマンション。タウンハウスとは一軒家風の物件が屋根と壁を共有して隣り合わせに連なっている集合住宅のこと。

そして色々見せてもらった結果、最近出来たショッピングエリアや駅に近く、庭は無い為芝刈りの必要は無く(笑)、冬の雪掻きや共有部分の管理は管理会社が行ってくれ、インテリアも素敵で家賃も許容範囲内の、分譲賃貸のタウンハウスを見つけることができました。

ちなみにアメリカの分譲賃貸住宅の多くは、洗濯機、冷蔵庫、全ての照明と最低限のカーテンやブラインドは備え付け。その為オーナーさんによっては、とても古いカーテンや照明がかかっていたり、日本では見た事も無い様な旧式の家電製品が備え付けられていたりすることも。幸い私達のオーナーさんは照明やカーテンのセンスも素敵で、私達の入居に伴って壁の塗替をしてくれたり、冷蔵庫も新品を設置してくれました。当然、誰しも整ったインテリアの家に住みたい訳で、アメリカでは少しでも良い条件で貸す為には、消耗部分のメンテナンスは勿論、ある程度のセンスやコーディネート力も必要なんだなぁと感じました。

というわけで、晴れて10月の終わりに引越しを終え、9月の驚きの通達から約1ヶ月半、無事新しい家に落ち着く事が出来ました。前の家と同じく、今回の近隣のご家族もみんな気さくで本当に素敵な方達。過ぎてみれば、リアルターの方達含め、今回のドタバタの中には素敵な出会いも沢山あったし、経験しなければ知らなかったことも沢山。当初は、歴代住み継いで来た家なのに私達の代で引越しなんて本当に運が悪い、なんて思っていましたが、、今となっては結果これもある意味良かったのかな、なんて思っている今日この頃です。

 

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