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会員便り

Designer’s House / Designer’s Project
デザイナーの住まい・仕事 vol.9

池羽レディースクリニック Design by Ikuyo Takakuwa
海、波をテーマに。アートのあるクリニック

IIDA Japan Chapterメンバーの住まいや手がけた物件を紹介するDesigner’s House/Designer’s Project。
今回は高桑郁代さんが手がけたプロジェクトをご紹介します。

text : Ikuyo Takakuwa

今回ご紹介するのは、茨城県にある「池羽レディースクリニック」。これまで数多くの産婦人科のデザインをされている高桑さんのプロジェクトです。
約10年前に手がけた自宅併設型の産婦人科クリニック。その隣に今回、小児科病棟を新たに増築し、既存建物の自宅部分を病室に改修。自宅スペースを増築部の3、4階に移しています。デザインテーマは海にちなんで“波”とし、大小さまざまの波形のデザインが椅子やテーブル、マガジンラックに落とし込まれています。
また、施主である産婦人科のドクターの要望で小児科待合室の吹き抜け部を飾るアートもプロデュース。パブリックアートのプロデュースをしている(株)タウンアートに依頼し、3人のアーティストにプレゼンをしてもらい、その結果、長岡勉氏のデザインに決定。細長い待合室を水槽に見立て、カラフルなアクリル板で作られた魚のアートが空中を泳ぐように配されています。
設計は両棟共にいつも高桑さんと組んで仕事をしているQ'Boxの久保木保弘氏。

増築

右側が10年前に建てた産婦人科棟。1・2階と3階の半分がクリニック、3階の半分が自宅(今回、自宅を病室に改修)
左側が今回増築した小児科棟。1階が小児科、2階が産婦人科多目的室、3・4階が自宅。
両棟とも設計はQ’Boxの久保木保弘氏。

小児科エントランスより見たところ。
左側が受付、右側のL型水槽の向こう側はキッズルーム。キッズルーム側からは掘りごたつ形式で水槽を眺める。

待合室。
魚のアートは長岡勉氏。日差しによって様々な魚のカラーアクリルの色が白いフローリングに反射する。正面のミラーによって空間が2倍に。

魚アートに合わせてソファやマガジンラックも波型にデザインした。
正面がキッズコーナー。

キッズコーナー。
かめクッションも長岡勉氏のデザイン。
手前の一段上がったところが水槽コーナー。

診察室。
海のテーマにちなんで「大波小波テーブル」と名ずけた診察机。
黄色い波はママの荷物置き台。小児科ドクターが昔からコレクションしているおもちゃを飾って楽しく演出。

2階の産婦人科多目的室「アクアスタジオ」。
待合室からは見上げていた魚がここでは目線の高さになり、まさに水族館の気分。サッシの反対側の壁は全面ミラー貼り(マタニティビクスをするため)なのでこちらにも魚たちが映る。
改修(ここからは既存産婦人科改修部分)

待合室。
小児科に合わせて中央に水槽を設置(以前は円形ソファ)窓の向こう側は小児科キッズルーム。お互いに見えるようになっている。

2階ホール。今回の改修ではすべてのタイルカーペットを張り替えた。

病室前廊下。
既存産婦人科はナチュラルな木目でまとめた。
改修(ここからは自宅を病室に改修した部分)

廊下。今回は気分を変えてダークブラウンの木目でまとめた。


4室作った病室のひとつ。
小上がりを設けて家族がごろっと出来るコーナーに。タイルカーペット状の花畳を市松に引いてメンテナンスが簡単にできるようにした。


元リビングルームを2分割して病室に。
高い傾斜天井が開放感を与えている。ダークブラウンのパーティションの向こうはクローゼット・洗面台・冷蔵庫など。元のバルコニーをサンルームにして病室とは思えない明るい空間に。
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