1. IIDA top >
  2. 活動報告 >
  3. 2013年 >
  4. NIPPON DESIGN COMPETITION結果発表

活動報告

NIPPON DESIGN COMPETITION結果発表(2013.7.1)

「これまで」と「これから」を結ぶ新しい和の素材を使用した【20年後も愛される居室】というテーマで募集したNIPPON DESIGN COMPETITION の審査が5月27日、萩原多恵子氏(萩原多恵子デザイン事務所 主催)、久保木保弘氏(Q'sBOX 一級建築士事務所 主催)、角田嘉代子氏( IIDA Japan Chapter President)の3人の審査員により厳正に行われました。応募作品は13作品。

最優秀賞には細井絵理子さんの「紙風船」が選ばれました。部屋の中央に「空気とあたたかな光を纏うように包まれる和紙で囲まれた空間」を表現し、思わずその中に入って寛ぎたくなる様な場ができています。

今回の30周年記念イベントの協賛をしてくださっている日本襖振興会が選定する日本襖振興会特別賞は、戸室令子さんの「居心地」に決まりました。襖、障子、組子などを組み合わせた新しい屏風の提案です。

尚今回、学生賞は該当者なしという結果に終わりました。

応募してくださった方々、どうもありがとうございました。
最優秀賞の「紙風船は」7月4日(木)から16日(火)まで新宿のリビングデザインセンターOZONEの7階、デザインギャラリーにて「The Pride of NIPPON」の展示とともに実物が設営されます。
皆さま是非、足をお運びください。

※下記の画像をクリックすると、別ウインドウでPDFをご覧頂けます。

最優秀賞:「紙風船」細井絵理子

受賞者のコメント

襖紙のデザインや素材の多様性を今回のこのコンペティションで改めて知ることが出来ました。和紙が持つあたたかみや軽やかさを空間に活かす方法は何だろうと考えたと時に、子供の頃に遊んだ紙風船が浮かびました。紙風船に包まれたような小空間で、夫婦やカップル、子供たちが籠れる空間を考え、それをデザイン案として起こしました。和室は元々、寝室にも食卓にもなる多様性のある居室です。この小さな和紙に包まれた空間が、時にくつろぎの間となり、布団を敷けば天蓋付きの寝室にもなる。そんなフレキシブルな空間にしたいと考えました。
いただいた最優秀賞は大変光栄で嬉しいです。が、その責任も感じています。このイベントの企画で様々な工房や企業を訪ねました。そこで職人さんやメーカーの方々にお会いして、扱う製品に対する熱い想いやこだわりに接しました。私たちデザイナーがもっと様々なものを知り、体感し、そして日本のこれからの住まいをどう形作るのか、考えていかなければならないのだと実感しました。これからも和の良い素材を実際の物件でより良く使っていきたいと思います。

細井絵理子

 

日本襖振興会特別賞:「居心地(IGOKOCHI)」戸室令子

受賞者のコメント

この度は、私の案を日本襖振興会特別賞に選んで頂き、大変光栄でございます。20年後も愛される魅力的な「新しい”NIPPON DESIGN”の居室」という今回のテーマは、まさにこれから世界がひとつになろうとしている一方で、いかにそれぞれの国の伝統と個性を継承していくか、そして何が人々に愛され継承されていくのだろうか、ということについて考える機会を与えて頂きました。
私は昭和初期の「和洋折衷」の木造の家で育ちました。そこには沢山の美しいものと、そして工夫と不自由の両方がありました。海外で建築の学校に行くことになった私は帰国してからその自分が生まれ育った日本の家の善し悪しを再認識しました。そして序所に不自由さの中に多くの日本美を発見したのは、情緒ということを知るようになってからかもしれません。
「伝統を継承していく為には、その時代に相応しいやり方がある。ただそのままの姿で受け継いで貰おうと思ってもそれは無理に等しい」と前に数寄屋造りの棟梁が仰っていた言葉が脳裏を放れません。これからも我々は伝統に学び、その時代に相応しい善きNIPPON DESIGNを作って行きたいと思う。

今回、日本襖振興会より賞を頂くこととなり、背筋が伸びる思いで、改めて日本の襖そして建具の勉強をさせて頂きたい所存です。

戸室令子

 

コンペ作品

 

高桑

INDEXに戻る

ページ上部に戻る